ノーシードからの出場となった市船橋が10本の長短打で10得点を挙げ、6回コールドで快勝。順調なスタートを切った。

1回、2四死球と内野安打で無死満塁とすると、4番清水祐希外野手(2年)の左犠飛で1点。さらに走者を犠打で送り2死二、三塁として6番高田海斗内野手(2年)が右前適時打を放ち2点を追加。この回、3点を挙げ、試合の主導権を握った。5回には2死から1つの四球を挟み、5連打で5得点を挙げコールド勝利を決めた。

2安打3打点の高田は「自分の仕事は、大きい1本を打つのではなく、ランナーをかえすこと。今日はその仕事ができて良かったです」と笑顔を見せた。

高田は佐倉リトルシニア出身。中3では4番を務めジャイアンツカップ優勝に導いた。市船橋入学後は、常に走者をイメージし打撃練習に取り組み集中力を高めてきた。大舞台での経験と、日ごろの集中力で昨秋は4番、今夏は6番に座る。桜内剛監督(51)は「高田はチャンスの時も、欲張らずに低い打球を徹底することができる選手」と話し、その期待は大きい。

高田は兄の背中を追いかける。3歳上の兄・悠人さんも市船橋野球部だったが、16年夏、決勝で木更津総合に敗れ甲子園出場は成らなかった。目の前で見た兄の涙。「兄の果たせなかった甲子園出場を」とその背中を追い同じ道を選んだ。「大会前、兄からは『2年生だから思い切ってやってこい』と言われました。次も元気を出して頑張ります」と目を輝かせた。