雨の影響で予定より3時間半遅れで始まった一戦で、桐生第一・杉山直杜投手(3年)が5安打完封勝利を飾った。

悪コンディションにめげず好投した最速140キロ右腕は「足場が悪かったので、打たせて取る投球に徹した。自信になります」と笑みを浮かべた。

午前9時開始予定が、降り続く雨の影響で12時半にプレーボール。1回のマウンドで、杉山はいきなりピンチを招く。3四死球を与えて1死満塁。「踏み出す足(左足)が滑る感じで、ボールが上ずった。集中力も欠いていた」と振り返る。

この危機を三振、右飛で脱すると、打たせて取る投球に切り替えた。直球の最速は133キロ。90キロ台のカーブを交えるなど制球重視の投球で2回以降は無四球で投げきった。「1回がすべて。あそこで失点していたら、どうなっていたか分からない」と今泉壮介監督(39)は胸をなで下ろした。

99年夏に全国制覇を果たした強豪も、夏の甲子園出場は08年が最後。11年ぶりの聖地へ、大きな1勝を手にした。