吉井の主将・堀越奏汰(かなた)捕手(3年)が2試合連続で捕手→投手の二刀流をこなした。

「4番捕手」で先発出場し、3点を追う4回2死満塁でマウンドへ上がるも、走者一掃の左中間二塁打を浴びて、リードを6点に広げられた。その後は無失点投球。9回に反撃し、2点差に詰め寄ったが、惜しくも敗れ去った。

「負けて泣くのかなと思ったけど、泣けなかった。悔いがないからだと思います。本当に楽しい2試合でした」

群馬・高崎市立吉井西中時は前橋中央ボーイズで活躍。岩手の強豪・盛岡大付に進学したが、1年の夏に退学し、同年9月に地元の吉井に転入した。規定で1年間選手登録ができないため、昨年夏の大会は応援団長としてスタンドで声を振り絞った。チームは1回戦で敗れたが、その相手が高崎北だった。

「リベンジはできなかったけど、追い詰めることはできた。満足です」

この2試合で打っては10打数5安打1打点、投げては8回5安打無失点。主将、投手、捕手、4番打者の重責を見事に担い、笑顔で高校野球に別れを告げた。