シード校の文星芸大付が、初戦の2回戦を苦戦しながらも勝利した。2回にエース饗庭陽生投手(3年)が1点を失い、追う展開となった。

その裏、5番福田竜貴内野手(3年)の本塁打などで3点を奪い逆転したが、3回に再び饗庭が崩れ、2点を失った。「気持ちが高ぶりすぎて、本来のピッチングができませんでした」。3回を投げて4安打3失点。エースにとっては悔しいマウンドとなった。

2番手で登板した佐藤駿多投手(3年)も初戦の難しさを痛感した。「饗庭が調子悪すぎて、1人で投げきってもらいたかったけど、そうはいかなかった」。5回1/3を投げ4安打2失点(自責点1)。粘りの投球にも「先制点を取られた場面で、準備していました。0点で抑えたかったですけど」と反省を忘れなかった。

高根沢力監督(45)は、これが監督として夏初勝利になる接戦を「想定内です。場の空気にのまれ過ぎでしたね」と振り返ったが、この夏も全国で次々と有力校が敗退している。「実感はないが、1発目を勝ててよかった」と本音をのぞかせた。次戦に向け「球場をいかに早く、自分たちのものにできるかが鍵です」と横にいた選手たちに聞かせるように言い切った。【佐藤勝亮】