令和の甲子園一番乗りとなる北北海道大会は、クラークと旭川大高で争われる。2年連続甲子園を目指す旭川大高は旭川北に10-1の7回コールド勝ち。北大会の連続での決勝同一カードは、75~77年の旭川龍谷-釧路江南戦以来となる。

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しくじりを拭い去る一打で相手エースを攻略した。5回。同点に追いつきなお1死満塁。旭川大高の6番加藤新大投手はベンチからのサインで初球にスクイズを試みるも失敗。2ボールからの4球目も再びバントするも内野に転がせず。「切り替えてできることをやる。何としても逆転まで持って行きたい」。今夏59奪三振の旭川北・伊東の決め球スライダーを、右中間にはじき返す走者一掃の三塁打。この回5得点の猛攻につなげた。

準決勝までの2試合は5打数無安打。犠飛と3四球で役割は果たしているが、安打がないことが気がかりだった。前日の打撃練習では端場雅治監督(50)から「ゆったり構えろ」、山本博幸部長(39)から「自分の前を球が通過することに変わらない」とアドバイスを受けた。打席で力みがちだったが「(球が)きたところを振る」(加藤)シンプルな発想で、この日は1、2打席目も右前に運んだ。

北北海道勢最多の8度甲子園出場も過去2年連続での出場はない。加藤は昨夏甲子園で佐久長聖との1回戦に途中出場も2四死球。チームも延長14回でタイブレークの末に敗れた。聖地への思いは強く「端場監督と1勝したい」と冬場の厳しい練習をこなしてきた。北大会屈指の速球派右腕を打ち崩し、決勝は昨年のリベンジに燃えるクラークだ。加藤は「自分たちのやることは変わらず、いつも通りに試合に入っていきたい」。昨年王者は横綱相撲で迎え撃つ。【浅水友輝】

▽0-1の5回に同点とする右適時三塁打を放った持丸主将 先頭の佐藤が出れば確実に点に絡むと信じていた。あそこで一発で盗塁(二盗)を決めて、後は1本打つだけだった。