ボンバーマンが甲子園1勝への起爆剤になる。第101回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の南北海道代表、北照は24日、甲子園ベンチ入りメンバー18人を発表した。南北海道大会は背番号12で地区予選から7戦フル出場した佐藤陸斗捕手(3年)が、2番に昇格した。ニックネームはゲームキャラクター「ボンバーマン」に似てることから「ボンバー」。エース桃枝丈(3年)を巧みなリードと話術で盛り立て、勝利を呼び込む。

   ◇   ◇   ◇

エースの闘志に火をつける。高校初の1桁背番号をつけることになった佐藤は「2番は捕手にとって特別な番号。甲子園では今まで以上に責任感を持ってプレーしたい」と意気込んだ。ニックネームの「ボンバー」は、つぶらな瞳と顔の輪郭、ヘルメットをかぶったときの雰囲気から、昨年の3年生が「何となくボンバーマンに似ている」とつけたもの。上林弘樹監督(40)は「ニックネーム同様、いい起爆剤になってくれたら」と期待した。

エース桃枝からの信頼が厚い。普段は寡黙でクールな背番号1も、相談事があると真っ先に「ボンバー、ちょっといいか」と声をかける。夏の大会前の試験勉強では、成績の良い佐藤が桃枝の先生代わり。グラウンド外でもコミュニケーションを取ることで、距離を縮めていった。桃枝は「聞くのが上手なので話しやすいし、意見もはっきり言ってくれる」と相性の良さを強調した。

勉強もリードも基本は、褒めて伸ばすのが佐藤流だ。「投球を見ながら、桃枝が1番投げたいボールを、うまく引き出していくことが大事。そうやって投手を乗せていけたら。時には厳しいことも言いますが、いいときは褒めること」。聖地での熱血“授業”も、臨機応変な配球でエースを「やる気」にさせていく。

1年秋に遊撃手から捕手に転向。経験不足もあり春までは控え捕手だった男が、最後の夏にチャンスをつかんだ。「平成の怪物」と言われた中日松坂と同じ、東京の江戸川南リトルシニア出身。「松坂さんのように甲子園で活躍したくて北照にきた。本当の勝負はここから」。“下克上”捕手が、貪欲に上を目指す。【永野高輔】

◆佐藤陸斗(さとう・りくと)2001年(平13)12月15日、東京・江東区生まれ。砂町小3年時に砂町ジャガーズで野球を始め、第二砂町中では江戸川南リトルシニアに所属。北照では1年秋に遊撃手から捕手転向し、2年秋に背番号15でベンチ入り。今春は12番。好きな選手は巨人小林、好きな言葉は心。家族は両親と弟2人。169センチ、76キロ。右投げ右打ち。