2年生エース笠島尚樹投手の1失点完投で、敦賀気比が福井県勢春夏通算90勝を挙げた。

笠島は初回に自己最速を2キロ更新する144キロをマーク。前に突っ込む投球フォームを改善しようと、冬場に重心を後ろに置く意識で投げ込みを行いキレも制球力もアップ。成長した直球を軸に「インコースに投げきる、そこで打ち取る」と、富島打線を散発3安打に抑えた。

小学校最後の日だった15年3月31日、父に連れられセンバツ大会準決勝を観戦。大阪桐蔭を完封したエース平沼翔太(当時3年=日本ハム)の勇姿を見て「ここで野球をやりたいと思うようになりました」と敦賀気比進学を目指した。東哲平監督(39)は「あれだけひざ元で伸びる球を投げられる投手はなかなかいない」と笠島の将来性に目を細める。4年前の春の観戦が、運命のように2人のエースをつないだ。この日、笠島は平沼以来の夏の勝ち投手になった。【堀まどか】