中京学院大中京の元謙太(げん・けんだい)外野手(2年)が“二刀流”で大活躍し、3回戦に駒を進めた。

聖地で3打数3安打1得点と猛打を披露した。元は「塁に出ることだけを意識しました」と熱闘でかいた汗を拭おうともせずに答えた。1点を追う7回には、先頭打者で逆転の口火を切る左前打を放った。打席に入る前、寮で同部屋の不後祐将(ゆうま)投手(3年)から「お前とする野球を最後にしたくない。塁に出てくれれば次につなぐから」とハッパをかけられスイッチが入ったという。その打撃に呼応したかのように、この回一気に4得点を挙げ逆転した。

9回には抑えとしてマウンドへ。橋本哲也監督(55)は「彼ならやってくれる」と信頼し送り出した。1失点も、最後の打者をレフトフライに打ち取り熱戦に終止符を打った。

名前の由来は母淑美さんが好きだという俳優の渡辺謙。元は「渡辺さんのように心が広い人になってほしいという意味があります」と照れながら説明した。

3回戦では強豪・東海大相模と対戦する。「相模も2年が活躍していて意識している。負けないようにしたい」と気持ちを込めた。【南谷竜則】