今大会のNO・1投手は星稜・奥川恭伸(3年)だ。1回戦の旭川大高戦でストレートが最速153キロを計測し、大小スライダーのキレとコントロールも見事で、スカウトの間では「即戦力」の声が聞かれた。

奥川に続くのは霞ケ浦・鈴木寛人(3年)。履正社打線に攻略され2回1/3でマウンドを降りたが、セ・リーグのベテランスカウトに話を聞くと「外れ1位候補」と断言した。フォームから粗っぽさが消えた習志野・飯塚脩人(3年)や2年生の明石商・中森俊介、敦賀気比・笠島尚樹、智弁和歌山・小林樹斗の将来性からも目が離せない。

野手でひかれたのが履正社・井上広大(3年)と明石商・来田涼斗(2年)だ。井上は霞ケ浦戦の1回表、鈴木寛人のスライダーを左翼席に放り込んでスタンドを沸かせた。来田は花咲徳栄戦の第4打席で先頭打者として二塁打を放ち、このときの二塁到達タイムが俊足と評価できる7秒8台。さらに後続の安打で決勝のホームを踏んでいる点でも価値があった。捕手は3年生の星稜・山瀬慎之助、中京学院大中京・藤田健斗、近江・有馬諒の強肩と好打が強烈な印象を残した。(ベースボールライター)