札幌地区初となる合同チームの江別・野幌・札幌南陵が札幌開成中教校に9-2の8回コールド勝ちで初戦を突破した。

3-2の8回に6安打を集め、一挙6得点。8回10奪三振2失点とけん引したエースで主将の樫山凌(2年=江別)は「目標だった1勝を達成できて率直にうれしい」と喜んだ。試合後に流れたのは野幌の校歌。他2校の選手も堂々と歌い切った。練習後に全員で歌い、普段から意識して口ずさむことで覚えた。

単独出場がかなわず、複雑な思いもあったが前を向いた。札幌近郊にも少子化の影響が及び、野幌の学級数は3年6、2年5、1年4クラス。昨秋は助っ人を加え単独出場したが、今秋の部員は6人しかいない。江別は7人、札幌南陵に至っては3人で、やはり助っ人のめどが立たず、3校での合同チーム結成に踏み切った。

掲げたスローガンは「感謝・喜び・前進」。全体練習を、この日までに8回行った。当初は名前も覚えられず、よそよそしかった。だが今では下の名で呼び合い、ミスを指摘するほどの間柄に。他校の指導者に助言を受けることも多く、樫山は「いつもとは違う角度だった。みんなも参考になったと思う」とメリットもあった。

来年の新入生へのアピールにもなった。大森太喜監督(38=江別)は「一歩踏み出せたことが良かった。前向きに一緒にやってくれる選手が増えたら」と期待する。牧本優弥二塁手(2年=札幌南陵)は「次もしっかり勝てるように頑張りたい」。1つでも多く白星を重ねる。【西塚祐司】

▽逆転負けで今年初勝利はならなかった札幌開成中教校の浜谷康平主将(2年) 途中まで良い流れだったが守備のミスから大きく崩れてしまった。冬にしっかり練習して春は勝ちたい