山形県大会では、米沢興譲館が4-2で山形東との進学校対決を制し、創部119年目で秋春通じて初の東北大会に向けて発進した。

エース右腕・渡部大晟と玄番小次郎捕手の2年生バッテリーが攻守で活躍。8回に1番渡部が右翼線に4打席連続安打を放ち、1死二塁から3番玄番の右越え二塁打で勝ち越しのホームを踏んだ。投げては148球の粘投。9奪三振の10安打2失点で完投した。

渡部は2点リードの9回裏に2死満塁のピンチを招いたが、相手代打を投ゴロに仕留め、自ら捕球した勝利球を一塁に転送して玄番と喜び合った。ともに文武両道の進学校対決。5回に2点を先取されたが、6回から1点ずつを積み上げて逆転勝ちした。新チーム移行後、おそろいのリストバンドを付けて信頼を深めてきた2人は「偏差値では相手が上なので負けたくなかった」と口をそろえた。

野手兼任だった夏の9番からエース番号を背負う渡部は自己最速の138キロもマーク。吉田真悟監督(41)は「渡部のチーム。打順も『0番』、自由に打ってくれればチームも乗る」と信頼する。次戦は今夏2回戦で8回コールド負けした羽黒と再戦。現2年生にとっては昨秋の新人大会でも敗れた相手だ。吉田監督は「あわよくば」と快進撃に期待した。【佐々木雄高】