小樽地区の代表決定戦で、岩内が小樽双葉を8-2で下し、15年ぶりの秋全道大会進出を決めた。

6番松屋駿汰右翼手(2年)が決勝打含む2安打6打点、8回から2番手で登板し2回1安打1失点と締め、投打で勝利に貢献した。岩内の隣町、共和中で15年全国中学8強の松屋ら4人が軸となり、初戦で今夏甲子園出場の北照を撃破。この日は今年の春、夏とコールド負けした相手に雪辱し、10年夏以来28季ぶりの道大会切符を勝ち取った。

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岩内が難敵を次々と討ち破り、15年ぶりの秋全道切符をつかんだ。背番号10の左腕松屋が最後の打者を一飛に打ち取ると、全員がマウンドに駆け寄り、人さし指を空に掲げ、雄たけびを上げた。6打点に好救援とフル回転の松屋は「先発の伊藤(大真、2年)が頑張って投げていたので何とか助けたかった。中学からの仲間と勝つことができてうれしい」と喜んだ。

“精鋭軍団”がついに小樽地区の壁を突破した。松屋や主将の中西倖己捕手(2年)ら、共和中出身の2年生4人が4年前の全国中学8強を経験。松屋は「全国を経験していたので、代表決定戦でも、リラックスしてプレーできた」。17年全道中学軟式大会を制した共和、岩内第一、岩内第二中の「後志選抜」メンバー11人がベンチ入り。「岩内で一緒に甲子園へ」と誓い合って入部した2年生を中心に、勝ち上がった。

主力選手は1年春から公式戦に出場。昨夏は地区2勝も、秋は北照に0-11、今年の春と夏は小樽双葉に3-14、2-22と2季連続で大敗した。3季連続の初戦コールド負けに中西主将は「これだけのメンバーが集まればやれるという気持ちが、甘さにつながっていた」と反省。新チームではあいさつや用具整備、練習メニュー間のダッシュなど、取り組む姿勢からあらためた。精神面を磨きなおし、初戦で夏の南大会王者北照、2戦目で昨年の春、夏と連敗した小樽潮陵、さらに小樽双葉と、3連続でリベンジを果たした。

全道大会は、新入部員勧誘に向けた貴重なアピールタイムだ。主力の2年生は16人も、1年生は4人。このままでは来秋の単独出場が危うい。成田貴仁監督(38)は「活躍することで来春、部員が増えてくれたら」と期待する。負けを知り成長した岩内が、秋は81年以来38年ぶりとなる全道1勝を目指す。【永野高輔】

▽岩内が複数投手を巧みに組み合わせ、勝ち上がった。初戦の北照戦は右腕伊藤から左腕松屋、2戦目の小樽潮陵戦が右腕脇田悠暉(2年)から松屋へつなぎ、この日は先発伊藤が、7回4安打1失点と好投して流れをつくり、松屋が締めた。地区での登板はなかったが、捕手の中西も右横手投げの投手兼任で、今春は背番号1。さらに左横手投げ熊谷玲遠(2年)もいる。現背番号1の伊藤は「自分がエースという認識はない。5人で競争しながらやっている」と話した。

◆岩内の道大会 出場は春7、夏21、秋は今回で6度目。最高成績はベスト4で夏は49、81、02年の3度。秋は76年に1度ある。