仙台育英(宮城1位)は息詰まる激戦を制した。延長11回、9-8で明桜(秋田2位)を振り切り、8強一番乗りを決めた。

4-5で迎えた9回表に逆転成功も追い付かれ、同10回に再び2点勝ち越しも追い付かれた。それでも「三度目の正直」となった同11回2死一塁で、9番松本京太郎外野手(2年)の中越え適時二塁打で勝ち越し。その裏、10回途中から5番手で救援した右腕・杉山歩海(2年)が3者連続三振に封じて、喜びを爆発させた。公式戦初スタメンで5安打1打点と大活躍した松本は「外角のスライダー。エンドランのサインだったので食らいつきました」と殊勲打を振り返った。

投打とも苦しんだ。23安打も13残塁と効率が悪く、7回途中から救援したエース笹倉世凪(1年)は7四死球と制球を乱し、延長戦に持ち込まれた。それでも1点を追う9回、選手たちは「センバツにいくぞ」を言霊(ことだま)にして逆転した。主将の2番田中祥都(しょうと)内野手も5安打1打点でチームを引っ張り、ガッツポーズを連発。「決め切れなくて苦しかったけれど、すぐに切り替えて楽しめた。フォアボールから守備が崩れて流れに乗れなかった。修正したい」と次戦をにらんだ。【佐々木雄高】