来秋ドラフト候補の中京大中京(東海・愛知)の右腕、高橋宏斗投手(2年)が強打の明徳義塾(四国・高知)打線を7回コールドの4安打完封で、10三振を奪った。

高橋宏が神宮に集まったスカウト陣をうならせた。7回を投げ、毎回の10奪三振で4安打完封。四国大会4戦で40得点、今大会初戦でも星稜(北信越・石川)相手に8点を奪った明徳義塾打線を手玉に取った。

初回に1死三塁のピンチを招いたが、3番鈴木大照(だいしょう)捕手に対し自己最速タイの148キロで空振り三振。続く打者も三ゴロで切り抜けた。「先頭に二塁打を打たれて力が抜けた。三振は狙いにいった」と力でねじ伏せた。

左足を上げる時に三塁側に顔を向ける姿は、ソフトバンク千賀にそっくりだ。「秋の県大会から三塁へ向くようにした。本塁側に体が倒れないように。千賀投手の動画はよく見ます」。自宅から約1時間の通学時間などを利用し、同じ愛知出身右腕の動画で手本を焼きつけている。日本ハム吉田輝や、ヤクルトのドラフト1位の星稜・奥川恭伸投手(3年)らも見て学ぶ。

「世代NO・1投手が目標なので」と目標は大きい。ライバルに最速151キロ右腕の明石商・中森俊介投手(2年)を挙げる。「意識しています。最速155キロ、常時148から150キロを目標にしています」。23年ぶりに伝統の立ち襟が復活した「CHUKYO」の新ユニホームでの全国大会はこの日が初。「新しい中京大中京を知らしめたい」。出場が確実なセンバツを前に、まずは秋の日本一を目指す。【石橋隆雄】

◆高橋宏斗(たかはし・ひろと)2002年(平14)8月9日、愛知県生まれ。三郷小2年から三郷ファイターズで野球を始める。6年時にドラゴンズジュニアに選ばれる。尾張旭東中では豊田シニアでプレーし、3年夏は全国16強。中京大中京では1年夏からベンチ入り。183センチ、79キロ。右投げ右打ち。