高校野球×ドローン!? 立花学園(神奈川)が未知の組み合わせにチャレンジしている。ドローンでの上空映像を用い、選手たちのプレーを可視化する-。通称“足柄山の金太郎軍団”が甲子園出場への最激戦区・神奈川で強い個性を出し始めた。県西部・大井町の同校グラウンドでは何が起きているのか。人気テレビ番組「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)を思わせる山奥へ足を踏み入れた。

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可視化に取り組む立花学園では、ドローンに先立って「ラプソード」を導入している。投球の回転数や回転軸、球速を測定できる球界の最新機器の1つだ。

サイド左腕の武井朋之投手(2年)はラプソードで急成長した1人。今夏、直球は毎分1700回転で「サイドでシュート回転しやすく、その分、回転数も落ちていたんです」。

可視化で認識して以降、手首を立てることを意識して直球を練習した。すると、毎分2100回転に伸びたという。「シュート系の直球と、手首を立てた直球。使い分けがうまくいっています」。エースとして、今秋県8強に貢献した。

ラプソード、ドローンに続き、身体の一部に装着し、投球動作数値や肘のストレス値などを計測する分析デバイス「モータス」も導入。志賀監督は「VR(仮想現実)で、ライバル校の投手陣の軌道を再現できる投球マシンを実現できれば面白いですね」とさらなる革新を描いている。