第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に21世紀枠で出場する帯広農が17日、兵庫遠征から帰道した。

4泊5日の合宿では、紅白戦を3度、計12イニング実施。14日の最初の紅白戦で控え組が主力組に勝つなど“下克上”も発生し、前田康晴監督(44)は「センバツに向け、新しい競争が生まれた。チームの底上げにつながる」と手応えを口にした。

最終17日に兵庫・伊丹市内で行った4イニング限定の紅白戦では、控え組で出場した梶祐輔三塁手(2年)が4回無死一、二塁でエース井村塁(2年)から左越え3ランを放ちアピールした。昨秋は地区予選まで主力も、全道は先発出場1試合と控えに甘んじていたが、16日夜に白木繁夫部長(60)に「力を抜き楽に振ってみろ」と助言を受け修正。梶は「自信がついた。主力に戻れるようもっと力を上げたい」と意気込んだ。

チームは淡路島を拠点に、16日に西宮市内で甲子園見学、17日には伊丹市内で紅白戦と兵庫県内を移動しながら練習。前田監督は「いろいろ動きながらやるのも、いい経験。本番への予行演習にもなった」。82年夏以来の聖地に向け、地道に準備を進める。【永野高輔】

○…前田監督がセンバツに向けオーダー変更を示唆した。昨秋全道大会で9番打者だった佐伯柊二塁手(1年)が、兵庫遠征の紅白戦で5打数4安打。同監督は「1番調子がいい。秋は1年生のプレッシャーもあり9番にしていたが、1~3番を打たせる可能性もある」と話した。冬場の練習でスイング速度を6キロ上げ、134キロにした佐伯は「練習の効果が出てきた。どの打順でもチームの役に立てたら」と謙虚に話した。