今春のセンバツに出場予定だった明石商(兵庫)が16日、中止が決まった11日以来、5日ぶりに同校グラウンドで練習を再開した。

正午から約3時間、ノックやダッシュメニューなどで汗を流した。狭間善徳監督(55)は「(中止決定から)日が空いたので元気な顔で結構サバサバしていました。活気があって良いムードで練習できました」とナインの様子を振り返った。

30分以上かけたミーティングでは、センバツ中止について選手に意見を聞いた。今秋ドラフト候補で主将の来田涼斗外野手(2年)は「中止は仕方ない。夏に向けて今は気持ちを切り替えている」と話し、同候補で最速151キロ右腕・中森俊介投手(2年)も「来田と同じです」と続いたという。開催が揺らいだ中で持ち続けた合言葉は「どんな状況になっても、自分が今やるべきことをやろう」。 春の兵庫季大会も現時点では開催は不透明だ。センバツ出場校に救済措置をという案もあるが、指揮官は横に首を振った。「そういう風に思うと、そればっかり気になってしまう。子供らには夏しかない、夏に向けて頑張っていくしかない」。今週末には夏の大会メンバーも見据えて紅白戦をスタート。約4カ月先の競争が幕を開ける。夏の県予選開幕は7月4日。「(開幕前日まで)あと110日ある。2640時間どういう風に使っていくか」。悲運に泣いた春は、もう振り返らない。【望月千草】