神奈川県高野連は12日、横浜市で会見を開き、中止となった今夏の全国高校野球選手権大会に代わり「令和2年度 神奈川県高等学校野球大会」の開催に向け、準備を進めると発表した。

8月1日から23日まで、参加校の夏季休業日と週休日を利用する。トーナメント方式で行うが、試合形態は未定。出場校数や球場確保数に応じて検討する。今年の連盟加盟校数は191で、全国でも屈指の多さ。出場校数が多く、球場も十分確保できない場合は、決勝まで行えない可能性もある。いずれにせよ、チームの移動距離を極力少なくする方向で計画する。

無観客で行い、保護者の入場も認めない方針。組み合わせ抽選は、同連盟による代理抽選で行う。開、閉会式は行わない。

他の都道府県と比べ、神奈川県は大会実施の発表に慎重だった。栗原豊樹専務理事は「学校も分散で6月から始まったばかり。いまだリモートのところもある。安全面への配慮から、より慎重になっていた」と説明した。県教育委員会のガイドラインでは、県立学校は8月末まで部活動は校内で自校生徒のみでしか行えない。今後、教育委員会と相談していく。

野球部員へのメッセージを問われた栗原専務理事は「機会を奪われている他の競技もある。機会を与えられることを、重く受け止めて欲しい。我々も感染対策を取っていくが、生徒自ら対策を取り、日常生活から気を引き締めて臨んで欲しい。(大会は)無条件に与えられるものではなく、いろんな方の理解、協力があって、ここまで運んでいる」と呼び掛けた。

同時に「8月なので、生徒の予定がある。自分の意思を大切にして欲しい。本当は勉強したいという生徒もいるでしょう。自らの意思を持って、出場する生徒は出場して欲しいし、出場しない生徒がいても、周りは尊重して欲しい」とも訴えた。

6月中に参加校を取りまとめ、開催要項を作成する予定だ。