青春の1ページを永遠に-。株式会社Dreamdoorは、学生野球各チームの映像制作を手がけている。練習風景や選手のインタビューを取材し、40分程度の特集番組も制作する。練習試合や紅白戦の配信も目指す。コロナ禍で大会中止が相次いだ高校3年生たちへ、思い出作りの場を提供している。

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球児の躍動を映像に残す。きっかけは、同社取締役・宮下文夫さん(56)の経験からだった。「息子の中学時代のチームメートで、がんで入院しているお母さんがいた。息子さんの最後の試合を見守ろうと外出許可をもらったが、雨で延期になり、見ることができなかった。動画で配信してあげられたらと思った」と振り返る。

現地にいなくても勇姿を見られるように…昨年11月に会社を設立した。3月から本格的な活動を始める予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大で、自粛となった。小学校から高校まで。取材許可をもらった上で、思い出作りに協力をしていく。

特別な1年になった。大会のほとんどが無観客試合。高校生活最後の勇姿を見届けることも、難しくなった。「高校で野球をやめる子が一番多い。なんとか思い出を残してあげたい」と保護者目線で語る。試合配信に加えて考案したのは、各校の特集番組を作ることだった。

練習風景やインタビューなどを撮影。選手やマネジャーによるトークコーナーも。40分程度に編集し、DVDを制作。短縮版をYouTubeにも投稿する。「熱闘甲子園をイメージしてます。映像で永遠に残る。部の雰囲気も伝わるし、お子さんがどういうところで3年間頑張ってきたかが分かる」と説明する。

チームや学校、保護者などから依頼があればどんなチームでも受け付ける。「いろいろなチームに作ってあげたい」と願う。時代とともに記録方法も変わってきた。3年間の集大成を永遠に残す。【湯本勝大】