ともに8月の甲子園での交流試合に出場する明石商(兵庫)と大分商が練習試合を行い、8球団スカウトの前で、ドラフト候補の明石商・中森俊介と大分商・川瀬堅斗(ともに3年)が投げ合った。

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治りきらない故障を抱えながらも、川瀬がドラフト候補の底力を見せた。明石商相手に5回2安打2失点と力投したが、3回にソロ本塁打を浴びるなど0-3で敗れた。だが持ち前の力で、相手の最速151キロエースの中森と渡り合った。

「意識はしなかった。抑えるとこは抑えられたので、自信になるし、制球の部分とか課題が見つかった」と振り返った川瀬。左足太もも裏の肉離れが完治していなかった。それでも、強豪相手に試合を作った。同校OBで広島のドラフト1位森下が明大時代にアドバイスをくれた縦割れカーブなど、変化球を駆使。5四死球とコントロールに苦しみながらも、要所を締めた。

エース対決には投げ負けたが「雰囲気が違った」という、やはりドラフト候補の明石商・来田涼斗外野手(3年)にも対した。犠飛で1点を失うも無安打に抑え込み「そういう打者に投げられたのは自信にしたい」。この先につながる収穫は、しっかりと持ち帰る。

8月の交流試合では開幕戦で花咲徳栄(埼玉)と対戦する。「打のチーム。自分がどう抑えるか。甲子園に大分商の名を残したい」とエースが大舞台を待つ。【望月千草】

◆川瀬堅斗(かわせ・けんと)2002年(平14)6月18日生まれ。大分市出身。賀来ヤンキースで野球を始める。湯布院ボーイズから大分商に進み、1年春からベンチ入り。同秋からエース。兄はソフトバンクの川瀬晃。183センチ、86キロ。右投げ右打ち。