試合延期で初戦に挑んだ摂津は、追手門学院に2-11で7回コールド負けを喫した。22日に予定されていた同戦は、同校野球部外の生徒が新型コロナウイルスに感染したことを受け、2日間延期されてこの日を迎えた。小雨が降る中、部員や保護者は傘をさして応援。4回までに7点を取られ、その後も点差を縮めることができなかった。

長嶋隆三監督(60)は23日に少しだけ体を動かしたが、ほとんどぶっつけ本番だったと明かした。だがナインは力の限り奮闘。「与えられた環境の中で、子どもたちは動揺を表に出さずに乗り越えた。教えられることが多く、安心して送り出せる」と涙を浮かべた。

主将の牧井夢(のぞむ)外野手(3年)は「最後まで自分たちの野球を楽しめた」としつつ、コロナ禍の活動自粛中に引退した3年生が2人いたことを思いやった。「野球ができることは当たり前じゃない。感謝しないと」。夕暮れの豊中ローズに涙があふれた。【平井稀花】