甲子園高校野球交流試合(8月10日開幕)に出場する白樺学園が7月31日、同大会で認められる19、20番目のベンチメンバー2人を決めた。チーム唯一の左腕、神優月投手(2年)と、唯一の1年生で投手と内野手を兼務できる菊地一成が入る。同校は、今春センバツ登録の18人をそのまま交流試合の登録メンバーにする方針。同じく交流試合に出場する帯広農とともに、3日にも20人全メンバーを公表する。

   ◇   ◇   ◇

聖地での1勝を目指し、フレッシュなメンバーを加える。神は「19番と呼ばれてびっくり。3年生と野球ができるのは、これが最後になる。入れなかった3年生もいる。入ったからには私生活からしっかりやってチームに貢献したい」。菊地は「入学して間もないのに甲子園の舞台に立ててうれしい。恥ずかしくないプレーをして、入れなかった3年生の分までしっかり戦いたい」と気を引き締めた。

チームの投手陣は、片山楽生、坂本武紗士、岩田拳弥、奥村柊斗(いずれも3年)、葛西凌央(2年)といずれも右腕。17日の相手となる山梨学院(山梨)には181センチの長身左腕エース吉川大(3年)がおり、戸出直樹監督(44)は「神がいることで左投手対策もできるし、試合で左打者相手のワンポイント登板の可能性もある」。さらに神、菊地ともに一塁と投手を兼務できることも抜てきの理由だ。片山、岩田、葛西ら、投手陣に一塁を守る選手が多く、同監督は「複数守れることで、投手と入れ替えやすくなる」と説明した。

神は昨秋の全道大会までベンチメンバーも、明治神宮大会では外れていた。「悔しい思いもあった。全国の強いチーム相手には力不足なのかなと思ったこともあった。冬場から1日5食食べて体重も増やした。取り組みの成果を発揮できたら」。1年生でメンバーとなる菊地は、今夏の地区代表決定戦からベンチ入り。「甲子園での経験を生かし今後、同学年を引っ張っていけるようになれたら」と前を見据えた。

同校は交流試合出場後、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、指導陣、選手は8月31日まで約2週間、部活を休むことになっている。再始動は9月1日以降で、9月中旬からの秋季地区予選まで間がない。最後の夏にかける3年生の思いと同時に、1、2年生の甲子園での経験値も、今後のチーム躍進のカギを握っている。【永野高輔】