前橋育英は“ミニどすこい”諸田空也内野手(3年)の起死回生の一打で勝利をつかんだ。1点を追う7回2死一塁、初球の内角低め直球を振り抜いた。打球は左翼スタンドに飛び込む逆転2ラン本塁打。「今大会ここまで打てていなかった。自分は打撃の選手なのでようやくチームに貢献できてうれしい」と昨秋に続く公式戦通算2号アーチを喜んだ。

憧れの選手は西武の山川穂高内野手。「いつもすごいなと思いながら見てます」と目を輝かせる。176センチ103キロの山川より一回り小さい178センチ87キロ。コロナ期間中に数キロ増加したという。「自分に甘えてしまいました」と笑顔で反省。荒井直樹監督(55)から「コロナ太りしたんじゃないか?」と冗談めかして注意されるも「意識的に増量しました」と返答するおちゃめさも見せた。

群馬大会では昨年まで夏4連覇中の同校だが、今年は新型コロナウイルスの影響で甲子園が中止。勝っても負けても残るは2試合のみとなる。目標の「5連覇」には“ミニどすこい”の活躍が欠かせない。【小早川宗一郎】