春夏通算10度の甲子園出場を誇る明豊(大分)が、4-2で県岐阜商に競り勝った。川崎絢平監督(38)は、鍛治舎巧監督(69)とは同監督が秀岳館(熊本)を率いていた15年秋季九州大会2回戦で敗れて以来の対戦でリベンジ。九州の高校野球の発展に貢献したベテラン監督に恩返しした。人気俳優の岡田健史(21)が野球部OBの創成館(長崎)は、4-0で平田(島根)を下した。

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12年8月から明豊を率いる川崎監督が、敵将にベンチ入りメンバー全20人を使う一丸野球で恩返しした。攻守の対策を徹底。大分独自大会は準々決勝で佐伯鶴城の左腕に苦しみ、0-1で完封負け。「左に絞って対策をしてきた」という。相手の先発左腕を初回から攻略し、2回途中で降板させた。

1回2死一塁。高校初の4番・小川の先制二塁打で勢いに乗ると、3投手に9安打を浴びせ4得点。小川は「初回、いい流れで入ってきた。絶対点を取ってやろうという気持ちでした。点にからめたのはよかったです」と喜んだ。

鍛治舎監督とは、同監督が秀岳館を率いていた時に幾度も練習試合で対戦。公式戦では15年秋季九州大会以来となる顔合わせだった。チームは違えど、同校を16年春から4季連続甲子園に導き、3季連続4強入りさせた名監督。当時を知る川崎監督は「秀岳館を倒さないと甲子園はないぐらい目標にしていた学校ですし、勝ちへの執念を鍛治舎さんから学んだ。負けないように追いつけ追い越せというつもりでやっていた」と燃えていた。鍛治舎監督も「今や九州を代表するチーム。川崎さんがいいチームを作られた」と認めた勝利だった。【菊川光一】