東部地区が開幕し、史上初の「4校合同チーム」が劇的勝利を収めた。

熱海・小山・下田・沼津城北の合同は延長11回の末、4-3で富岳館に競り勝った。途中出場した沼津城北の山本龍毅外野手(2年)が中越えにサヨナラ打。投げては小山の根上亜門(あもん、2年)が自己最長の11回を投げ抜いた。

劇的な幕切れに跳び上がって歓喜した。3-3で迎えた延長11回1死二塁。10回表の守備から出場した山本龍に初打席が回ってきた。「自分が試合を決めるつもりでした」。外角高めの直球をコンパクトに振り、中越えにサヨナラ打。無我夢中で激走したヒーローは「チームの勝利に貢献できてよかったです」と白い歯を見せた。

過去に3校の合同チームはあったが、4校は史上初。部員不足で単独での出場ができない中で力を合わせた。沼津城北と小山は部員が6人。下田が5人で熱海が3人の計20人で戦った。夏の独自大会後に計7試合の練習試合を実施。実戦を通して連係を深め、選手間ではグループLINE(ライン)でコミュニケーションを図ってきた。

指揮を執る沼津城北の河野晋監督(50)も「短い期間でもこれだけの試合ができる。20人になったことで競争意識も芽生えた」とうなずいた。150球を1人で投げ抜いた根上も「1つのチームになっている手応えがあります」と胸を張った。次戦は合同チーム史上初の県大会出場を懸けて沼津と対戦する。勢いそのまま新たな歴史を刻むつもりだ。【神谷亮磨】