花咲徳栄が甲子園での交流試合から中2日で、埼玉大会の初戦を戦い、勝利をつかんだ。7イニング制の埼玉大会攻略策として、プロ注目の主砲・井上朋也内野手(3年)を1番に起用した。初回、井上が死球で出塁すると、すぐさま二盗を決めた。次打者の左前打で生還し、電光石火の先制点を奪った。井上は「理想的な形で点を取れた。初戦を無事に勝てて良かった」と笑顔を見せた。

甲子園の後に地方大会を戦うという前代未聞のスケジュールだ。甲子園の開幕戦から10日の午後9時半に埼玉にとんぼ返り。岩井隆監督(50)は「疲れはある。移動もそうだし、甲子園という舞台でのプレーで精神的に疲れていると思う。ただグラウンドに立てることがありがたい」と話した。

甲子園では4人の2年生をベンチに入れたが、今大会は3年生だけで臨む。試合ごとに選手の入れ替えが認められており、甲子園で完投した高森陽生投手(3年)を外すなど8人を入れ替えた。次戦以降もベンチ入り選手(上限20人)を入れ替える予定。岩井監督は「本来の大会とは意義が違う。1人でも多くベンチに入れたい」。通常とは異なる大会を、3年生の力で制する。【小早川宗一郎】