宮城工が白石工との「工業校対決」を制して初戦を突破した。4回途中から救援したエース右腕・竹野佑(2年)が残り5回2/3を1失点。打撃でも2安打3打点でけん引し、今秋から1年ぶりに指揮を執る冨樫誠悦監督(36)に白星を贈った。

初めて「1」を背負った竹野は、2点を勝ち越された4回1死三塁で自身初の公式戦マウンドに立った。しかし初球を中犠飛にされ、後続にも三塁打と暴投で追加点を献上。さらに続く5番には左前打を許し、自身のけん制悪送球で二塁に進塁された。冨樫監督からこの回2度目の伝令を送られ、「『まだ回はある。しっかり抑えて』と言われた。気合が入った」と奮い立ち、中飛でピンチを脱した。5回に竹野の2点二塁打などで反撃し、その後も毎回得点の計10得点で逆転に成功。竹野の投球もリズムに乗り、以降5回を2安打無失点と好投した。

同校受験前日に牛丼を食べて合格した竹野は、公式戦など勝負事の前日には必ず牛丼を食べるという験を担いできた。次戦に向けて「接戦になると思う。自分も周りも信じて、勝ちたい」。勢いづいたエースが「牛丼パワー」で白星を積み上げる。【相沢孔志】