今夏県4強の山形中央が米沢興譲館を7-2で下し、初戦を突破した。0-0の3回2死一塁、エンドランのサインに井上斗太(とうた)外野手(2年)は「仲間が必死に走っていた。自分はバットに当てるだけ」と流し打ちで左前打。さらに左翼手の悪送球の間に、一塁走者が生還して先制。続く4番の適時内野安打で追加点を奪うと、以降4回で5点を挙げた。

新チーム移行後も3年生は後輩の練習補助に取り組み、試合では応援席で全力プレーを見届けた。庄司秀幸監督(44)は「朝から晩まで参加してくれて、3年生が(後輩の)良い見本になってくれた」。3安打の井上斗も「3年生の顔を見て打席に入った。3年生の思いを背負ってプレーができた」と存在はとても大きい。ともに勝ち進めば、準決勝では今夏敗れた鶴岡東と再戦する。井上斗は「先を見ずに目の前の1戦と1つのプレーに魂を込めたい。それが3年生への恩返し」と、5年ぶりの東北大会出場切符を見据えた。【相沢孔志】