明徳義塾はエース左腕の代木大和投手(3年)が8回1失点完投して惜敗した。2回1死二塁。遠藤太胡外野手(2年)に内寄り低めカットボールを狙い打ちされ、先制の左前適時打を浴びた。結果的にこの1失点が決勝点になり、初戦敗退した。プロ注目の代木は「悔しい気持ちが一番強い。カットボールを(相手は)狙っていたと思います。あそこに飛ぶような球を投げてしまったら失投になります。走者二塁で抑えられない。実力不足です」と振り返った。

仙台育英打線に宝刀のカットボールを、コンパクトに合わせて対応された。甲子園通算51勝の馬淵史郎監督(65)は「ズルズルと行ってしまった。負けるときはこんなもの」とさばさばした表情で振り返る。「力が均衡した1-0というよりも、ちょっと実力差があるなとベンチで感じていた。相手の方が一枚上手だった」と続けた。

唯一の失点は2回1死で、遊撃の米崎薫暉内野手(3年)がボテボテのゴロを一塁に悪送球(記録は失策)して、これが引き金になった。指揮官は「最初の1点なんか絶対に投げちゃいけない球。内野安打は分かっている。二塁に行かれてムード悪いところでタイムリーヒットを打たれた」と厳しく指摘した。わずかなミスが命取りになった。夏に向けて課題が出た。【酒井俊作】

▽中日米村アマスカウトチーフ(明徳義塾・代木について)「粘りながら1点に抑えて持ち味を出した。(平均で)140キロを超えてくれば。将来性がある」