静岡高で春夏計7度(春3夏4)の甲子園出場に導いた栗林俊輔監督(48)の退任が19日、明らかになった。静岡県教職員の異動が同日に発表され、栗林氏は来月1日付で県教育委員会健康体育課教育主幹に就任。「また一から勉強し直します」と襟を正した。

2008年春に静高の監督に就任。15年春のセンバツでは、チームを50年ぶりの8強へ導いた。伝統校の重圧に負けず、結果を出し続けた13年間を振り返り「良いことや悪いこと、いろいろ経験させてもらった。思い出はいっぱいあります」と、白い歯を見せた。

指導面では3人のプロ野球選手を輩出。「選手のことを第一に考え、大切にする」ことを心がけ、準備の大切さも説き続けた。教えを受けた相羽寛太前主将(今季から社会人野球ヤマハ)は「監督から言われた『勝負は準備で8割が決まる』を頭に入れてやっていきたい」と決意を述べた。

栗林氏は現在の部員たちに、この日の全体練習後に退任を伝えた。「みんな泣いていて、もらい泣きしちゃいました」。後任には、4月に赴任する静高OBで、島田商高の池田新之介監督(43)が有力視される。栗林氏は「自分は夏の甲子園で勝てなかった(4戦4敗)ので、この夏は勝ってくれることを願っています」と期待を寄せた。【河合萌彦】