市尼崎の「佐藤2世」が躍動した。昨秋、県3位の長田に10安打14得点でコールド勝ち。主軸にドッシリと座るのが米山航平外野手(3年)だ。2回、右腕の内角速球に詰まりながら怪力で左翼線に落とす二塁打になった。6回は右前打で5点奪取の口火を切った。

188センチ、95キロの肉体が魅力だ。「詰まっても振り切る力は冬からずっと練習してきました」。自らの売りを「長打力です。スイングスピードには自信があります」と胸を張る。高校通算本塁打数を「10本くらいです」と言い、スイングスピードは160キロだ。

実は、NPBのスカウトでウワサになっている存在だった。「イチアマに佐藤そっくりの選手がいるらしい」。50メートル6秒0で、機敏な身のこなしから、野性味あふれる風貌までそっくりだ。憧れを問われ「ここ最近、佐藤輝明選手によく似ていると言われる。身長、体重はほとんど一緒。顔が似ていると言われます」と明かす。187センチ、94キロの阪神ドラフト1位の佐藤輝を上回るスケールだ。

複数球団が視察した。阪神熊野スカウトは「素材的にいい。佐藤輝も高校の時から見ていた。打撃は佐藤が柔らかかったけど、仁川学院の佐藤より体とパワーは米山の方が上。佐藤のようになる可能性がある」と評し、将来性を高く買う。

実は、一流の血が流れている。祖母の親戚が、阪急で254勝を挙げた左腕の梶本隆夫だ。梶本も186センチ。大物感がある。「プロ野球に興味があります」と夢も大きい。【酒井俊作】

▽市尼崎・広田誠監督(米山について)「スイングスピードがありますし、詰まっても遠くまで飛ばす力がある。天性のモノですね。恵まれた体ですからね」

◆米山航平(よねやま・こうへい)2003年(平15)12月12日、神戸市生まれ。神戸市立なぎさ小5年から、なぎさ少年団野球部で野球を始め、渚中では軟式野球部。市尼崎では1年秋から背番号19でベンチ入り。家族は両親と弟2人。188センチ、95キロ。右投げ左打ち