八潮南が、接戦を制して初戦を突破した。1-1の同点で迎えた6回2死二塁で、笠井紀良(きよし)主将(3年)が右中間を破る適時三塁打を放ち、1点を勝ち越した。

守備では、右打者と左打者でシフトを敷いて徹底して守り、青木理博監督は「川越さんは、強いチームだと聞いていた。試合は、勢いでやらせてもらいました。(シフトが)うまくいきました」と振り返った。

先発の砂川海翔(かいと)投手(3年)は、ブルペンから調子が良かった直球を軸に被安打4、5奪三振の1失点にまとめ、126球で完投した。8回は2死満塁、9回も2死一、二塁のピンチを招いたが、気迫で抑えた。「投げきりたいと焦ってしまった。みんなが『焦るな』と声をかけてくれた。(9回は)必死だったので、何を考えていたのか覚えていません」と苦笑いだった。青木監督は「見たことないくらい、今までで最高のピッチングでした」と評した。

ベンチからは常に大きな声が飛び、戦う雰囲気をつくり出していた。初回、マウンドに立った瞬間にベンチの声が届いた砂川は「鳥肌が立ちました」と振り返った。2回戦に向けて、「2死からの四球が多かったので、そこを出さないように気をつけたい」と課題を挙げた。