昨秋県3位の湯沢翔北は5回コールドの10-0で花輪を下し、3回戦に駒を進めた。1、3回に2点ずつ加点し、4回には4連打を含む打者一巡の猛攻で一挙6点。投げては先発の武藤栄昇(えいしょう)投手(2年)が4回2安打無失点、右肘のけがから復帰した、最速140キロを誇るエース佐藤創(そう、3年)が、最終5回を3者凡退で締めくくり、完封リレーを決めた。

喜びをかみしめた13球だった。佐藤創は「コントロールはあまり良くなかったが、3人で終わらせようという気持ちだった。久しぶりで楽しかったし、次につながる課題も得られたので、それを含めて良かった」。春の県大会地区予選1回戦(5月1日)、大曲戦以来の公式戦マウンド。その試合で先発したが右肘の違和感により、3回途中で降板した。チームは本大会出場も、夏に向けてリハビリに励むことになった。

投球練習を再開したのは先月半ば。「焦る気持ちはありました」と不安な日々を送った。それでも「今日こうやって投げられて安心しました」。小林洋介監督(34)も「彼あってのチーム。今後の試合を考えながら『チームにさあ行くよ』という意味でも投げられて良かった」。復活したエースとともに頂点だけを見つめていく。【山田愛斗】

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