今秋ドラフト候補の中京大中京、畔柳亨丞(くろやなぎ・きょうすけ)投手(3年)が今夏初登板し、抜群の存在感でベスト8進出を導いた。

初戦から4回戦まではブルペン待機。1-1の同点の3回から、2番手でマウンドに上がった。常時140キロ中盤の直球を投げ込んだが、中部大春日丘の打線も強力で9安打で3失点。「今日は0点。中盤以降フォームが崩れてしまった」。自己採点は辛めだったが、2点リードの9回2死一、二塁のピンチでこの日最速の150キロを出すなど、抜群のギアチェンジで要所を締めた。「バックが盛り立ててくれて何とか踏ん張れた」と感謝した。

NPBスカウト陣も、今夏初登板を待ち焦がれていた。西武渡辺GMは「全体のバランスは高校生トップクラス。ドラフト上位で消える素材」と絶賛。阪神、中日、DeNAなども高い評価を再確認したようだ。

畔柳を温存してきた理由を高橋源一郎監督(41)が明かした。「春のセンバツでああいう負け方をして、夏は畔柳以外の投手でどれだけ戦えるかを試していた」。センバツ4強も、全4試合に登板した畔柳が右肘の違和感を発症するなど、1本柱の負担が大きかった。この日の先発も背番号11の柴田青投手(3年)に託すなど、畔柳に次ぐ存在を戦いながら育てている。

畔柳は夏の難しさも痛感したという。「後がないプレッシャーを感じました」。次戦はさらなる爆発力で圧倒する。【山崎健太】