春に続き夏も甲子園初戦突破を目指した広島新庄だったが、あとアウト1つの場面で逆転サヨナラ弾を浴び、初戦敗退となった。

終盤まで県大会100安打打線の横浜から完全にペースを握った。先発の花田侑樹投手(3年)は「後ろにいいピッチャーがいるので、初回から飛ばしていこうと思った」と、この日は最速144キロの直球に変化球を織り交ぜ、スコアボードに0を並べた。7回の先頭に四球を与えたところで西井拓大投手(3年)に交代したが、7回途中を5安打1四球で無失点と試合をつくった。さらに、2番手の西井も後続を断ち、流れを渡さなかった。

打線は、5回にベンチ入り唯一の1年生・河野優輝内野手が2死二塁から内角への133キロ直球を中前にはじき返し、先制点を奪った。9回にも大可尭明内野手(主将=3年)、繁光力輝内野手(3年)、平田龍輝外野手(3年)の3連打で1点を追加し、2点リードで9回裏へと入った。

9回裏は、先頭に安打を打たれたところで、西井から3番手の秋山恭平投手(3年)へとスイッチ。直後に安打で無死一、三塁となった後、空振り三振と二ゴロで2死までこぎつけたが、横浜の1年生・緒方漣内野手に逆転の3ランを浴びて終戦。秋山はマウンドで膝に手をつき、がっくりした表情。試合後は涙があふれ、「みんなが先制点をとってくれたが、打たれて申し訳ない。腕を振れて投げられたのは良かったが、(最後は)真ん中に入ってしまった」と悔やんだ。

勝利目前での悪夢に、宇多村聡監督(34)は「1球の怖さを感じた試合でした」と振り返った。それでも、「3人ともよく投げてくれた。選手たちはこの素晴らしい甲子園で、持ち味を発揮してくれた」とたたえた。【林亮佑】