<全国高校野球選手権:神戸国際大付2-1北海>◇15日◇1回戦

プロ注目の最速150キロ左腕、北海(南北海道)木村大成投手(3年)の夏が終わった。ゲームセットの瞬間は笑顔も、ベンチで泣き崩れるチームメートが目に入ると、涙がこぼれた。「仲間の顔を見たら思わず。もらい泣きです」。降雨の影響で開始時間が遅れ、午後4時14分プレーボール。カクテル光線に照らされたマウンドで9回152球を投げ抜き、6安打2失点8奪三振と力投した。

センバツで敗れた神戸国際大付にリベンジすることはできなかったが、満足感はあった。2回に直球を狙われ3安打で2点を献上も「(ヤマを)張られていると思ったので、3回から(捕手の)大津と話し合い変化球主体に変えた」。この日は初回に出した146キロが最速。3回以降は球速にこだわらず、変化球をコースに収めて2安打7奪三振と持ち直した。南北海道大会決勝では、途中で左太ももがつり6回6失点で交代しており「負けたのは悔しいが、自分の力を出し切れた。悔いはない」と胸を張った。

進路については「3年間、プロを目指してやってきた。その思いは変わらない。自信があるのはスライダーだが波が激しい。そこの差をなくしていくことが、これからの課題」。夢に向かい、さらに鍛錬を続ける。【永野高輔】