恵みの雨と捉える。18年ぶり8度目出場の日大東北(福島)の甲子園初陣は、降雨ノーゲームとなった。

0-1で迎えた5回2死満塁。先発のエース右腕、吉田達也(3年)がフルカウントとしたところで雨脚が強まり試合が中断。試合再開を粘り強く待ったが、2時間22分の中断を経て、今日20日の仕切り直しが決まった。松川侑矢主将(3年)は「良い展開で試合を進められたので、本音では試合を継続したかった。甲子園の舞台にもう1回立てるのは、うれしい」と前を向いた。

互角の試合展開だった。吉田は左越え先制本塁打を許した3回2死まではノーヒット投球。自己最速を2キロ更新する138キロをマークするなど、変化球で緩急もつけながら堂々のマウンドさばきを見せた。打線は2イニング連続で3者凡退に打ち取られていたが、3回以降は毎回得点圏にランナーを進めた。松川主将は「ヒット4本が出て、チャンスはつくれていて、あと1本出すだけのところまできていた。吉田も良く投げてくれた」と振り返った。

雨天順延が重なり当初の試合予定日から6日の繰り下げ。福島大会決勝(7月25日)以来の公式戦となり、難しい調整を強いられていた。宗像忠典監督(59)は「気持ちが切れないか心配だったけど、当初思っていた通りの試合の入りができていたので(降雨ノーゲームは)正直残念だなという気持ちです。(甲子園の)球場で1試合プレーできたことは大きな経験にもつながった。手の内を知った状態で仕切り直すので、今日のような入りをしてできれば勝利したい」と言葉に力を込めた。【佐藤究】

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