日大三島が逆転サヨナラで今春センバツ出場の三島南を下し、2年連続32度目の県大会(9月11日開幕)出場を決めた。1-2の9回裏2死二、三塁で、3番池口奏(かなで)内野手(1年)が一塁線を破る2点適時打を放ち、接戦に終止符を打った。

池口は、殊勲打に感無量の様子だった。1点を追う9回、好機で打席へ。2ボールからの3球目、狙っていた内角低めの直球を捉えた。チームを勝利へ導き「とにかくうれしい。整列の時にみんなが迎えてくれて、泣きそうでした」と振り返った。

この日、チームは相手投手陣を崩しきれず、8回までに6度の得点圏で1点しか奪えないでいた。「チーム内に焦りがあった」と池口。それでも、永田裕治監督(57)の「諦めるな、粘りやで」の言葉を胸に、ナインも自身も最後まで気持ちを切らさなかった。

千葉市出身。報徳学園(兵庫)を春夏計18度の甲子園出場に導いた永田監督の誘いで今春、日大三島に入学した。厳しい練習に「くじけそうになったこともある」と話すが、「監督に付いていけば、強くなれると信じている」。県大会へ向け「もっと『粘り野球』の力を高めて、チーム一丸で戦いたい」と決意を込めた。【河合萌彦】