初出場の科学技術が、県大会3連勝で初の8強入りを果たした。自分たちで考えてプレーする「大人の野球」で、今秋の中部地区大会から6戦5勝と好調だ。25日の準々決勝では、同じ静岡市内の強豪・静岡に挑む。

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科学技術の快進撃が止まらない。5点リードで迎えた9回裏、清水東の最後の打者を併殺に打ち取り、試合終了。ナインは雄たけびを上げながら整列した。

122球を投げて4失点完投のエース兵庫悠真(2年)は「ものすごくうれしい。ゴロを打たせる意識で投げた」と胸を張った。打っても1-0の4回に2点適時打。自らのバットでリードを広げた。昨年10月の静岡市内大会で、0-10の6回コールド負けを喫した相手にリベンジした。

県大会初出場ながら、3回戦を突破した。好調の要因について森田重成監督(52)は「失点をしても、1個のアウトを確実に取る。試合の流れを読んで戦えるようになった」と目を細める。自軍を2本上回る11安打を浴びながらも、要所を締めたことが、8強進出につながった。

主将の杉本大慶(だいけい)内野手(2年)は「常に周りを見て考えてプレーすることを心掛けている。全員で助け合って戦えた」と笑顔。「大人の野球」ができていることを語った。準々決勝では、今夏の甲子園に出場した静岡と対する。「味方を信じて投げたい」と兵庫。大物食いを演じて“科学技術旋風”を継続させる。【古地真隆】