今春4強の大館鳳鳴が、今夏甲子園に出場したノースアジア大明桜に3-1で競り勝ち、6年ぶりの秋4強を飾った。

エース左腕の木村拳士(たかし)投手(2年)が、7安打1失点10奪三振で9回を投げ抜き、2戦連続完投。打線は7回に主将の田村祐太朗外野手(2年)が、先制の適時二塁打を放ち、8回に敵失、スクイズで2点加点した。

木村が最少失点で切り抜けた。3点リードの9回1死から四球と連打で1点を返され、なおも一、三塁のピンチを迎えたが、動じなかった。「ゴロを打たせる意識だった」と、この日153球目で二ゴロ併殺に。「最後はゼロで抑えたかったので、連打されて苦しかったです」と反省も“低めに制球、コースを突く”という2つをテーマに、カーブでカウントを取りながら相手打線を封じた。

2カ月前の敗戦が木村を変えた。2年生エースとして臨んだ今夏、3回戦で横手に0-1で屈した。7回1死まで無安打投球も、同回の初安打を起点に決勝打を浴びた。8回2安打1失点の力投にも「夏は自分のせいで負けてしまって、そういう思いをしたくないと思った」と意識改革し、強気なマウンドさばきを貫く。今畠寿樹監督(46)も「気持ちの部分でひとつ大人になった」と認めるほど、短期間で成長を遂げた。

優勝候補を破った大館鳳鳴は、25日の準決勝で能代松陽と対戦する。木村は「大きな目標は東北大会。次も絶対に勝ちたい」。あと1勝で秋11年ぶりの東北切符を獲得。悲願達成へ、3戦連続でエースの仕事を果たす。【山田愛斗】