マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(48)が29日、国学院久我山(東京)を訪れた。

午後3時40分ごろ、打撃ケージに入り、フリー打撃を開始した。部員たちが内外野、それぞれの守備に就き、関係者が投げるボールを打った。ケージの周りには、守備に就いていない部員が何重にも重なり、見学した。

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まずバントを6球。その後、計53スイング。右方向のネットを越える本塁打を5本、放った。

ここで、いったん部員と交代。再びケージに入り、19スイングで右方向のネットを越える本塁打を6本、放ったところで「終われないよね。もうちょっと捉えないと」。次のスイングはファウル。その次のスイングで、右方向のネットを越える本塁打。「終わり」と言って、終了した。

打ちながら、右に切れるファウルには「大きく曲がるのはダメ。こうなっている」と、右肩が開く動作を示した。きれいに右越えに伸びていく打球には「あの軌道がいい。切れない打球」と解説した。

見ている部員たちからは「うわー」「打球速い」「やばい」「えぐい」と声が上がった。

打撃終了後、部員から質問が飛んだ。捕手をやっていた部員から、見逃し方のことを聞かれ「見逃すと思ったらバットが出てくる。それが僕の目指しているところ。手が最後に出てくる。手がキープできている証拠。キャッチャーがそう感じることは、すごくうれしい。谷繁さんに『松井秀喜とイチローはそれができていた』と言われた。なかなかいないと谷繁さんに言われて、それを意識するようになった。目指しているところでもある。どうやってそこ(内角高めのきびしいところ。捕手にボールが来る直前)をファウルにするか」と答えた。