第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)に、日大三島が38年ぶりに出場します。報徳学園(兵庫)時代に春夏通算18度甲子園出場の名将・永田裕治監督(58)は、就任2年目で聖地に導きました。大舞台に挑むナインを紹介する連載「日大三島38年ぶりセンバツ 名将と歩む」。第3回は、池口奏(かなで)内野手(1年)です。

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池口奏(かなで)内野手(1年)は、「打」でチームへの貢献を誓う。昨秋は打順3番に座り、東部地区大会からの11試合で打率3割8分9厘を記録。2本塁打も放つなど、打線の主軸として存在感を発揮した。それでも、「自分は(4番の)松永(陽登=はると)さんの引き立て役でいい。つないでチャンスを広げたい」とキッパリ。犠牲心も兼ね備えた左の長距離砲だ。

甲子園で対戦を望む戦友がいる。大阪桐蔭の前田悠伍投手(1年)だ。捕手だった中学1年時に、「カル・リプケン12歳以下世界少年野球大会」(2018年夏、米ミズーリ州)でバッテリーを組んだ。高校進学時には、聖地での再会を約束した。「久しぶりの再会が甲子園と考えただけで、鳥肌が立つ。対戦したい」と目を輝かせる。

昨年11月の明治神宮大会では、花巻東の佐々木麟太郎内野手、広陵の真鍋慧内野手など、同学年が躍動した。一方で、池口は九州国際大付戦で2打数無安打。チームも初戦で敗れた。「悔しかった」。大会後もライバルたちの動画を見返し、雪辱を期した。

この冬はヤクルト村上宗隆内野手の打撃を参考に、左方向への意識を高めた。「逆方向にも強い打球が打てるようになってきた。甲子園で自分が活躍する準備を進めたい」と、開幕を見据えた。【前田和哉】

◆池口奏(いけぐち・かなで)2005年(平17)10月14日、千葉県生まれ。小1から都賀の台レッドウイングス(千葉市)で野球を始め、中学時は東都京葉ボーイズ(船橋市など)に所属。右投げ左打ち。家族は両親、兄。176センチ、80キロ。血液型O。