怪物1年生スラッガーが高校通算本塁打を52本まで伸ばした。第94回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)に出場する花巻東・佐々木麟太郎内野手が12日、実戦復帰したことを代表取材で明かした。昨年12月に両肩の胸郭出口症候群(肩のしびれや腕が上がらないなどの症状)のため手術。約3カ月間はバットを振れていない状態だったが、ノースイング、ノースロー調整を経て、対外試合に出場できるまで復調した。センバツ初戦となる22日の市和歌山戦に十分間に合いそうだ。

1日の関西入り直後は、肩に負担をかけないように、両手をしばって固定しながら緩いボールで打撃練習を行っていた。しかし、現在は1発を打てるまで回復している。5日の練習試合解禁から4試合ほど実戦を重ね「バットもだいぶ振れるようになった」という。さらに「本塁打も一応出てます」と昨秋の通算50本から2本増えたことも明かしつつ、「状態はまだまだ良くないとしみじみ感じているので、今は戻すことで精いっぱいです」と本番に向けて、さらにコンディションを上げていく。

小さい頃から観戦で訪れている甲子園の土を踏む日を待ちわびている。「自分にとって聖地だと思っているので、プレーできることをうれしく思います」。初戦は最速149キロ右腕・米田を擁する市和歌山と対戦する。「まっすぐにスピード、重さがあると感じています」と相手エースを警戒。その上で「強い相手が並んでいるので、花巻東の野球をして一戦必勝で勝ち上がるのが目標です」。1発に注目が集まるが「今は本塁打にこだわらず、強い打球を打ってその延長線上でスタンドに入ればいいと思います」。無欲で聖地に立つ。【山田愛斗】