延長13回裏、2死満塁で金綱伸悟投手(3年)が投げた球は、打者の背中に当たり死球でサヨナラ押し出し。マウンドでぼうぜんと立ち尽くした。「全員がつないでくれた中で期待に応えられなかった。情けない」と、うつむきながら言葉を振り絞った。

8回から越井颯一郎投手(3年)に代わり初めての甲子園のマウンドへ。1回2/3を投げ金本琉瑚投手(3年)につなぎ、一塁の守備についた。タイブレークの13回表に2点勝ち越し、その裏、内野ゴロの間に1点差とされた場面で、再び金綱がマウンドへ。連続四球で同点。さらに押し出し死球でこの回3失点。

金綱は「攻めるしかないなという気持ちで投げていた。抑えたいという気持ちが出過ぎてボールが浮いた。自分で気持ちが抑えられなかった」と悔やんだ。

ベンチからは「楽しめ」の声が飛んだ。五島卓道監督は「秋は越井と金綱で勝ってきた。最後は金綱と決めていた」と話し、チームの期待を背負ったマウンドに応えられなかった。金綱は「技術よりも気持ちだと思う。気持ちを強く持たないといけない。こういう舞台で物おじせずにいつも通りのプレーができる精神を持っていきたい」と、さらなる成長を大舞台に誓った。