東京学館新潟は中越に9-6で勝ち、春季県大会は00年以来22年ぶりの決勝進出。5番古沢蒼士右翼手(3年)が先制のソロ本塁打を放つなど打線をけん引した。決勝は14日に悠久山野球場で行われる。

古沢のバットがゲームを動かした。0-0の4回だった。先頭打者として右翼越えのソロ本塁打を放った。

カウント2ボールからの直球をフルスイング。打球は右翼芝生席で弾んだ。6-0の6回2死三塁にも右前適時打。2打数2安打、2打点で存在感をグラウンドに放出した。7-0から8回表に7-6と詰め寄られたが、6回の適時打が貴重な決勝打に。「苦しい展開をどう乗り切るかとやってきた」と5番打者は言った。

準々決勝の高田北城戦(10日)も古沢は3打数3安打で4打点の“猛爆”ぶり。しかし大会序盤は不振にあえいでいた。3回戦の新潟戦と4回戦の新潟産大付戦は先発メンバーから外れた。新潟戦では代打で起用されたものの、見逃しの三振。そんなどん底からはい上がった。「活躍する同級生を見て、チームのためにやりたいと思った」と言う。先制の本塁打は打線を活性化させる。チームで放った安打は12本だった。

「吹っ切れた顔だった」と旅川佑介監督(40)が評した古沢は、冬場にバットを振り込んできた。「春に花を咲かせるため」とティー打撃は1日1000球繰り返した。「春は優勝、と話し合っている」。その目標へ、あと1勝に迫った。【涌井幹雄】