オープニングゲームに登場した12年ぶり出場の銚子商(千葉2位)は、飯島聖矢投手(3年)が5安打3失点で完投し、青藍泰斗(栃木3位)との接戦を制して16年ぶりの白星を飾った。打線は4得点ながら2桁10安打を記録。17年ぶりの甲子園へ「黒潮打線」復活を予感させる打撃力をみせた。関東第一(東京1位)、高崎健康福祉大高崎(群馬2位)などが初戦突破した。

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伝統を誇る「CHOSHO」のユニホームが、関東の舞台に帰ってきた。勝利の立役者はエースの飯島。175センチ右腕は、9回を5安打3失点。全100球の完投劇を「変化球が低めに集まって、タイミングをずらすことが出来ました」と笑顔で振り返った。打っても決勝打を含む2安打1打点。投打でチームをけん引した。

奪三振「0」で27個のアウトを集めた。130キロ台の直球に、100キロ台のスライダーを組み合わせ、緩急で相手打線を打たせて取った。「コースに投げきればヒットを打たれることもないので、コントロールを大事にしています」。冬場には1回のブルペンで100球以上をコースに投げ分けるノルマを課し、制球力を身に付けた。この日与えた四球は1つ。抜群の安定感は自信であり、武器だ。

名門復活へ導く。甲子園には春夏通じて県内最多の20度出場。74年夏には日本一も達成しているが、05年を最後に聖地から遠ざかっている。それでも「千葉県で一番甲子園にいってる。でも、ここ最近は甲子園に出られていなかった。自分たちの代で行ってやろうと思って、入学しました」と強い意志を持っている。

ファンが多く、地元で愛される同校。街中で「頑張って」と声をかけられることも多い。「周りからも応援していただいて、それが力になります」。声をかけられる度に思いは強くなる。夢の実現のためにもまずは関東を勝ち抜き、証明する。強い銚子商が復活したと。【阿部泰斉】

◆銚子商(ちょうししょう)1900年(明33)、銚子中として開校。2008年(平20)に銚子水産と統合。商業・情報処理科、海洋科を有する県立高。主な野球部OBは木樽正明(元ロッテ)、岩井美樹(国際武道大監督)、土屋正勝(元中日)、篠塚和典(元巨人)、宇野勝(元中日)、沢井良輔(元ロッテ)。所在地は千葉県銚子市台町1781番地。