8年ぶり2度目出場の苫小牧中央が北海に3-2で逆転勝ちし、春の全道初勝利を挙げ8強入りした。プロ注目のエース右腕斉藤優汰投手(3年)が9回125球3安打2失点。プロ10球団のスカウトらが見守る中、最速148キロの直球と切れ味鋭い変化球を操り11奪三振完投した。知内が24年ぶり、釧路工は17年ぶりとなる春の全道勝利で準々決勝に駒を進めた。

斉藤が円山のマウンドでリベンジを果たした。昨夏先発した北海戦(南北海道大会1回戦)では1回1/3 4失点で降板。この日は9回125球2失点で完投勝利。「変化球でカウントが取れて、四球も出さなかった。テンポよく試合をつくれたと思う」。この日の最速148キロと伸びのあるストレートにキレのある変化球を低めに集め11奪三振。「指にかかっていてコースにも決まり、抜ける球が少なかった」と直球の手応えも十分だった。

課題の立ち上がりで失点した。1回1死二、三塁のピンチから暴投で2失点。いきなりつまずいたが、2回以降立て直した。2回の3者連続三振で流れを引き寄せ、その裏の逆転を呼んだ。3回2死の場面では左打者沢田のひざ下に「今日自分の中で一番よかった」という直球を投げ込み見逃し三振。9回2死三塁のピンチも三ゴロに打ち取り1点差を守り切った。

この日スタンドでは日本ハムやロッテなど10球団のスカウトたちが投球を見守った。西武の渡辺久信GM(56)は「今日初めて見たけど、ボールも強いし、非常にバランスが取れた投手というイメージ。これから夏までにもう1ランクアップする可能性があると思う」と高く評価した。

渡辺宏禎監督(53)は「2回以降、よく粘ってくれた。変化球でカウントを取れるのが大きかった」と目を細めた。同校の春全道初勝利に導いた斉藤は「(今日は)ボールがうわずっていた部分があるので、初回から低めに制球していければ」と次戦へ気を引き締めた。【山崎純一】