2年生の中軸が挽回のサヨナラ打を放った。昨秋優勝の酒田南が山形中央に4-3で劇的勝利を収めた。須藤仁内野手(2年)が同点の9回1死満塁で決勝の適時打を放って貢献。4大会ぶり東北大会(6月7日開幕、福島)出場と2年連続の決勝進出で“V2”に「王手」をかけた。

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熱い思いが、体を突き動かした。1点を追う9回1死から打線がつながり、同点に追いついて満塁のチャンス。打線の中軸を担う須藤は「絶対に打たないといけない」と気合を入れて打席に入った。2球ですぐに追い込まれても、落ち着いていた。3球目の直球を引きつけ、コンパクトに流し打ち。痛烈な打球が右前で弾むのを確認すると、声を出してガッツポーズ。値千金の一打をベンチで見届けた選手たちも一斉に飛び出して祝福した。

勝負強さを土壇場で発揮した。昨秋は7試合出場で25打数8安打、打率3割2分。6打点はチーム2位の数字だった。だが、今春は試合前時点で7打数1安打1打点だった。「前の試合(山形学院戦)でもチャンスで打てなかった。とても悔しかった」と振り返った。第4打席では7回2死三塁と勝ち越しのチャンスで三振。何としても挽回するという気持ちだった。

重要な一戦で白星を積み上げ、今日29日は春のV2が懸かる決勝を戦う。昨春はスタンドで優勝の瞬間を見届けた。「先輩方が偉大な成績を残した。春優勝して自分たちは秋に優勝しているので、そのまま連覇したい気持ちが強い」と力を込めた。相手は同じ庄内地区の羽黒。北川泰俊監督(39)は「東北大会も決まりましたし、のびのびとやってもらえたら。その中でやる以上は絶対に勝ってほしいと思うので、しっかり準備してやってくれたら」と選手の躍動を切に願った。【相沢孔志】