青森山田が弘前学院聖愛を12-2で下し、3年ぶり12回目の「春制覇」を果たした。森川大輝主将(3年)が3点本塁打を含む3安打4打点とチームをけん引した。

一冬の成果を早速発揮した。森川は「去年は試合が決まる場面で打席が回ってきても決められなかった。今年は、『大事なところでチームを救える1本を絶対に出す』ことにこだわりを持って、打撃練習に取り組みました」。1点を追いかける3回1死一、二塁、外から内に入ってきた甘い変化球を左翼席まで運ぶ逆転3ラン。「先発の相馬(皇士郎)が何とか1点で抑えてくれたので、打者陣も食らいついて点を返してやろうと思っていた。自分がチームを引っ張ろうという強い気持ちで打席に入りました」。言葉どおり、大事な場面で見事にチームを救ってみせた。6回2死三塁には左前適時打で追加点。チームの勢いを絶やさなかった。

昨夏は県大会決勝で弘前学院聖愛に5-6で敗れ、甲子園出場を逃した。昨秋の東北大会では、甲子園目前の準決勝で聖光学院(福島)に2-5で敗れた。森川は「去年の夏も秋も甲子園がかかったところで負けた。『甘さをなくさないと良いところまで行って負けるぞ』と、ずっと声に出して取り組んできました」。悔しさを忘れず、主将としてチームを鼓舞し続けた。

「もちろん目標は優勝です」。東北大会に向け、森川は力強く語った。「どんな勝ち方でも相手より最終的に1点多く取っていれば勝ち。チーム一丸となって、我慢強く粘る泥臭い野球で、東北大会を戦っていきます」。青森山田の野球を貫いて東北王者に輝き、夏の甲子園出場に弾みをつける。【濱本神威】