南北北海道の代表校8校が決まった。南北海道・函館地区では函館大柏稜が函館に9回サヨナラ勝ちし、3年ぶり7度目の南大会進出を果たした。0-0の9回表に1点失うも、9回裏1死二塁からエース小野智暉(3年)が左前適時打を放ち同点。さらに2死満塁で西村澪央翔(れおと)中堅手(2年)が決勝の右前適時打を放った。

    ◇    ◇    ◇

函館・細川颯汰投手(3年)はバースデー勝利を手にすることはできなかった。8回まで3安打無失点と好投も、1点奪った直後の9回裏に追いつかれ、9回2死満塁から、サヨナラ打を浴びた。「最後は低め外のストレート。自信を持って投げた。コースも思うところにいった。打たれたのは相手の力が上だったから」と、素直に負けを認めた。

7回1死で迎えた2度目の打席では、全校応援のスタンドから誕生日を祝う曲が流れてきた。「こうやって誕生日に代表決定戦で投げられることがうれしかった。楽しかった」。大会1週間前から右肘に違和感を覚え、試合前にマッサージを受け登板。「おかげで痛みはなかった。いろんな人のおかげで、ここまで来られた」と笑顔で話した。

新チーム初戦の昨秋は地区初戦で函館工に0-10敗退。「このままではずっと勝てない」と、冬場はロッテ佐々木朗希、高校時代の日本ハム吉田輝星の動画を見て、下半身の使い方を研究。今春地区初戦は函館大有斗相手に延長10回まで投げ3失点完投と、効果が出始めた。最後の夏は、開校16年目で初の道大会目前まで勝ち進んだ。「ここまで投げられたことを褒めてあげたい。でもあと少しだった。歴史を変えたかった」。硬式野球はこれでひと区切り。涙をぬぐい、受験勉強にシフトチェンジする。【永野高輔】